2025年、本屋大賞を受賞し一躍注目を集めている作家・「阿部暁子(あべ・あきこ)」さん。受賞作『カフネ』を読んで、その繊細な描写や心に響く言葉に惹かれた方も多いのではないでしょうか。
しかし、話題の作家でありながら、彼女の私生活や人物像には謎が多いのも事実です。
今回は、そんなミステリアスな作家・阿部暁子さんの魅力と代表作『カフネ』の見どころを深掘りしていきます。
1.阿部暁子さんのプロフィール

- 名前: 阿部暁子(あべ あきこ)
- 生年月日: 1985年生まれ
- 出身地: 岩手県花巻市
- 学歴: 岩手県立花巻北高等学校卒業。大学は北海道の札幌で過ごした。
- デビュー作: 『屋上ボーイズ』(応募時タイトル『いつまでも』)。
2008年に第17回ロマン大賞を受賞し、コバルト文庫からデビュー。 - 受賞歴:
- 2003年: 第18回全国高等学校文芸コンクール小説部門最優秀賞・文部科学大臣奨励賞
- 2008年: Cobalt短編小説新人賞『陸の魚』
- 2025年: 第22回本屋大賞『カフネ』
- 代表作:
- 『屋上ボーイズ』
- 『金環日蝕』
- 『どこよりも遠い場所にいる君へ』
- 『パラ・スター』(二部作)
- 『鎌倉香房メモリーズ』
- 『カフネ』
- 作風: 繊細な心理描写と温かいストーリーテリングが特徴。
- その他情報: SNSや私生活については控えめで、作品を通じて語る姿勢をもつ
阿部さんはもともと児童文学やライトノベルの分野で活躍していましたが、近年は一般文芸にも進出。心に残る人間ドラマで、幅広い世代の読者に支持されています。
2.本屋大賞2025受賞作『カフネ』とは?
『カフネ』は、日常の中にある静かな温もりと、ささやかな希望を描いたヒューマンドラマです。
2-1.あらすじ(簡易)
心に傷を抱えた男女が、とある喫茶店で出会い、ゆっくりと日常を取り戻していく――。
「カフネ」とは、ポルトガル語で“愛する人の髪に指をとおす仕草”を意味する言葉。
このタイトルが象徴するように、物語全体に「さりげない優しさ」と「そっと寄り添うような愛」が描かれています。
2-2.なぜ支持されたのか?
- 登場人物のリアルな感情の揺らぎ
- 無理に泣かせようとしない、静かな演出
- 共感を呼ぶセリフと日常描写の美しさ
『カフネ』阿部暁子
— さき@読書 (@100ninNOVELS) April 3, 2025
最愛の弟が急死して悲観に暮れる主人公。ある日…
寄り添うってこと、美味しいって思うことがどれほど人を癒してくれることか。
今の社会状況を映した大事なテーマが盛り沢山。謎解きの部分も面白い。彼女の努力し立ち向かっていく姿勢が勇気をくれる素敵な作品でした。#読了 pic.twitter.com/RctsWzoHmQ
書店員からも「読後にそっと背中を押してくれるような物語」「思わず大切な人を思い出した」といった声が多数寄せられ、本屋大賞受賞につながりました。
3.阿部暁子さんの代表作を紹介!
もともといい作品なのは間違いないですが、本屋大賞を受賞したと聞くと余計にどの作品も読みたくなりますね☆
3-1.『カフネ』
物語: 心に傷を抱えた男女が、喫茶店を通じて日常を取り戻していくヒューマンドラマ。ポルトガル語で「愛する人の髪に指を通す仕草」を意味する「カフネ」が物語の象徴です。
3-2.『どこよりも遠い場所にいる君へ』
物語: 小さな町に生きる孤独な少女と、その周囲の人々との心の交流を描いた感動作です。
3-3.『鎌倉香房メモリーズ』
物語: 鎌倉を舞台にしたシリーズで、香房という場所を中心に展開される物語です。

3-4.『パラ・スター』
物語: 青春スポーツ小説で、車いすテニスをテーマにした二部構成の物語です。
親友同士の絆や、障害を乗り越える強さ、そしてスポーツが人々に与える影響を描いています。
2020年度の文庫ベスト10第1位に選ばれたことがあります。

3-5.『金環日蝕』
物語: 登場人物たちの表裏(一見明るい春風の過去の傷、暗い境遇の理緒の良心など)を表現。物語は〈反転〉〈対決〉〈勇気〉の章で急展開し、人間の弱さと希望を描きます。

4.阿部暁子さんってどんな人?
作品で語る作家姿勢の阿部さんはSNS(Xなど)も控えめで、私生活については一切公開していません。
このことから読者の間では、
- 「プライバシー保護を徹底している」
- 「派手な自己主張よりも、作品で語るタイプ」
- 「創作と真摯に向き合っている印象」
といった声が多数あがっています。
まさに“静かな作家”といった印象で、「作品で語る」という言葉がしっくりきますね☆
5.『カフネ』ににじむ阿部暁子さんの人柄
『カフネ』をはじめとする阿部さんの作品には、
- 誰かをそっと見守るような優しさ
- 過去を抱えながらも未来へ進む強さ
- 日常のなかにある小さな光
が繰り返し描かれています。
これは阿部さん自身が、きっと他者への深い共感や理解を大切にしている人だからこそ生まれる物語なのかもしれません。
まとめ
- デビュー作は2008年の『屋上ボーイズ』
- SNSなどでは多くを語らず、作品で語るタイプ
- 2025本屋大賞の受賞作も物語全体に「さりげない優しさ」と「そっと寄り添うような愛」が描かれている
“静かな力”で読者の心を動かすのが阿部暁子さんの大きな魅力と言えるでしょう。
SNSで目立ったり、メディア露出するわけでもない。
でもだからこそ、阿部暁子さんの作品は言葉の力だけで深く心に届くのです。
『カフネ』という美しい物語を通して、これからも多くの読者が「そっと心に寄り添ってくれる言葉」に出会えるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m
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