何かと大きな話題になっている、週刊文春が取り上げるスクープ、いわゆる『文春砲』。
ここ最近では、中居正広さんや松本人志さんの話題が大きく取り上げられている。
そんなニュースを観て、「なんでこんなに週刊誌の記事が話題になるの?」「週刊文春の力はなんでこんなに強いの?」なんて思われている方もいるのではないだろうか?
今回の記事では・・・
- 週刊文春の影響力が強い3つの理由。
- 『文春砲』という言葉はいつ、どのニュースから広まったのか?
について考察していきたいと思う。
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週刊文春の影響力が強い3つの理由
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週刊文春(以下、文春)の影響力が強い3つの理由として、
1.コストを惜しまないから
2.世間が文春のスクープに注目しているから
3.情報量が多いから
が考えられる。ではそれぞれの理由を詳しく紹介していく。
【1】コストを惜しまないから
一つ目の理由は、スクープを書くために「コストを惜しまないから」だ。
どういうことかというと、何か情報提供があり「この記事はいける!」と編集長が判断した際には、スクープの裏どり取材のために、必要な人員を惜しみなく追加してチームを作るのだそう。
簡単に言うと、コストをかけてスクープを仕上げていく、のだ。
スクープを書くためには、手間もお金もかかるため、敬遠する編集者もいる中、文春はコストをかけて徹底的に情報を収集するのだと編集長の新谷学氏は話している。
「いける」と思ったときに躊躇せずに勝負をかける、つまり、記者を投入できるかということなんです。われわれ週刊誌は「攻めのメディア」で、踏み込むべきときには踏み込んだほうがいい。それができるかどうかだと思うんです。
引用元:ジャーナリスト森健氏の新谷学氏インタビュー
【2】世間が文春のスクープに注目しているから
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2つ目の理由は、「世間が文春のスクープに注目しているから」だ。
逆の言い方をすると、文春が興味をもたれていなければ世間の話題にはならないはずだ。
しかし、文春がスクープ『文春砲』を発信すると、すぐさまネットニュースやSNSで話題になり、社会問題に発展することすら出てきている。
これは、世間が文春の記事に注目しているからであり、その記事のことを詳しく知りたいという読者の気持ちを掻き立てているからだろう。
メディアが、「週刊文春によると」なんて枕詞をつけ報道することも当たり前になってきているように見える。
国会でも「週刊文春」という言葉が出てくることがある。国会で使われるということは、国会議員も週刊文春が世間に注目されていることを認めているからだろう。
政治でも芸能でも、われわれの原点は“人間への興味”なんです。タフネゴシエイターと高い評価を受けている大物政治家が、大臣室でとらやの羊羹と一緒に現金を受け取ったり、好感度抜群の女性タレントが禁断の恋に身を焦がしたり、恋愛禁止のはずのアイドルが好きな男の子の前で泥酔したり号泣したり……。もちろん善悪の評価もありますが、何より、人間って面白いというのが原点なんです。愚かだし醜いけど、可愛らしいし美しくもある。
「過激にして愛嬌あり」。
引用元:ジャーナリスト森健氏の新谷学氏インタビュー
私が大好きな明治の反骨のジャーナリスト宮武外骨の言葉です。週刊誌は怖がられて引かれたらダメなんです。読者の皆さんに面白がってもらって、可愛がってもらうことが大切だと思っています。
【3】情報量が多いから
3つ目の理由は、「情報量が多いから」だ。
スクープを書くためには、やはりその情報が必要なのは言うまでもないが、では文春はどのようにして情報を集めているのか?
新谷学氏が文春の編集長に就任したのちに、『文春リークス』という情報提供コーナーを設けている。
ネットで情報提供できる環境を整えたことで、情報量が増えたのだという。
その中から先述した「これはいける!」という記事に対して、全力でコストを投入していく。
もちろん文春がもつ100%の情報が、この『文春リークス』ではない。
年間で数千件という情報提供が『文春リークス』に対してあるらしく、記事にするほどでもない記事が多数を占めるそうだが、情報提供する側もインターネットというツールを利用することで、いわゆる「タレコミ」もしやすくなっているようだ。
「情報を高額なお金で買っている」という勝手な世間のイメージが先行している場合があるが、情報をお金で買わないと編集長の新谷学氏は話している。
ここは大事なので明確にしておきますが、うち(文春)の方針としてネタは金で買いません。これは大前提。そして、最初からお金目的で編集部にネタを持ち込む人に関しては、基本的に断ります。駆け引きで釣り上げようとする人も同じです。
なぜそうした人を排除するのかと言えば、情報提供の動機がお金だと、お金のために「嘘」をつく可能性があるからです。証拠を偽造する可能性だってある。そんな話を掴まされて、それをもとに記事を書いたら、大変なことになります。ですから、なぜ情報を提供するのか、という動機の部分については慎重に見極めます。
引用元:ジャーナリスト森健氏の新谷学氏インタビュー
『文春砲』という言葉はいつ、どのニュースから広まったのか?
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かつては、「フライデーされる」なんて言葉が、スクープ記事を書かれることをさしていた時代もあったが、ここ最近では『文春砲』という言葉がメジャーになっている。
では、『文春砲』はいつどのニュースから話題になったのだろうか?
『文春砲』はAKB48のファンの間での用語だった
この事実は知らない人も多いようだが、2010年以降当時のAKB48主要メンバーのスキャンダルを報じ、文春の記事がメンバーの降格や引責にも繋がっていたことから、AKB48ファンが『文春砲』と呼んでいた。
『文春砲』が世間に広まったのはベッキーの「ゲス不倫」記事から
2016年、タレントのベッキーとミュージシャン「ゲスの極み乙女」の川谷絵音のいわゆる「ゲス不倫」のスクープから『文春砲』という言葉が世間でも使われるようになった。
同年2016年は、甘利明TPP担当大臣(当時)の賄賂疑惑、ショーンKの学歴詐称、舛添要一東京都知事(当時)の公用車私物化など、たくさんの有名人に関するスクープが取り上げられた。その破壊力から、AKBファンにとどまらず「文春砲」という単語が広まり、2016年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされている。
※皮切りとなった「ゲス不倫」はトップテン入り
文春の影響力が強い理由まとめ
- 1.コストを惜しまないから
- 2.世間が文春のスクープに注目しているから
- 3.情報量が多いから
- 『文春砲』という用語は、もともとAKB48ファンで使用されていて、2016年のベッキーの「ゲス不倫」記事から世間に広まった
ここに記載した理由のみが文春の影響力すべてではない。
ただ、文春が他の週刊誌に比べて力をもっている理由が、少しわかったのではないだろうか。
文春を擁護するわけでもなく、誰かを庇う事もないが、文春の編集長新谷学氏が話している内容の中に「休業しろとか、コマーシャルに出すな、とか一切書いていないし、求めていない。」
という言葉がある。
確かに文春の記事が起因となって、引退する芸能人や活動を自粛する芸能人が数多くいる。
ただ、文春が引退を決めているのではなく、報道された記事で問題提起された本人や企業、事務所がその後の判断はしているのだ、と元文春記者も話していた。
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